プラスチック給油リングによって生産を簡素化し、風力タービンギアボックスのコストを削減

風力発電の事例：給油リング向けの革新的なプラスチック材料

弊社の専門家が、ギアボックスの青銅給油リングに代わる軽量で費用対効果の高い代替部品を設計、導入していくつかの欠点を解決できるよう支援しました。新しいポリマー給油リングは耐久性が高く、より簡単かつ迅速に製造することができます。また、軽量で現在のギアボックスに適合しています。

簡素化された製造工程とマシニング加工時間の短縮によって、生産コストとリードタイムが大幅に削減されます。 

業界：再生可能エネルギー、風力発電
ソリューション：青銅給油リング部品に代わるErtalon^™6 PLAの開発
製品：Ertalon^™6 PLA
結果：軽量かつ容易に生産でき、費用対効果の高い風力タービンギアボックス部品

青銅からより効率的で軽量な材料に交換して機能を改善

大手ギアボックスメーカーが、風力タービンで使用する大規模なギアボックスを生産し、風力発電業界に供給する必要がありました。これは小規模な産業用ギアボックスとは様々な面で異なるものでした。当初、ギアボックス内の遊星のベアリングに注油するのに青銅給油リングを使用していました。この既存製品には、マシニング加工時間が長い、大きなリングサイズでの設計の柔軟性に課題がある、機械の青銅ストゥープでの操作が困難である、コストが高いなど、多くのデメリットがあります。お客様は、風力エネルギー業界の急速な拡大に対応するため、ギアボックスの青銅製給油リングから軽量で費用対効果の高い代替品を必要としていました。

共同作業を活用して風力発電向けの優れたギアボックス部品を実現

産業用ギアボックスに関するこれまでのお客様との連携を活かし、お客様と協力して風力発電向けの大規模なギアボックスを生産する可能性を探りました。お客様は、周囲温度の高い地域で稼働しているタービンに弊社のポリアミドErtalon^™ 6 PLAを使用し、その後、6XAU+を追加しました。エンジニアリングプラスチックには多くのメリットがあります。専門的な部品設計と試験によって適切な設計を行えば、大幅な改善がもたらされます。弊社は、素材の専門知識を駆使し、検討時間を短縮するための設計と試験の両方をサポートすることができます。 

弊社は、工程全体を通して、お客様が期待する機能を確保し、求められる寸法精度と品質仕様に確実に適合できるようにしました。 

耐久性の向上と製造の効率化

青銅給油リングを弊社のErtalon^™ 6 PLAで製作した部品に交換することで、製造を簡素化し、マシニング加工時間を短縮して、コストを削減することができました。この軽量化された交換部品は、ギアボックスで使用されている潤滑油との相性が良く、機械的強度に優れ、摩擦を最小限に抑えるため、ローラーベアリングに埃や粒子が蓄積するリスクが減ります。

また、風力タービンのギアボックス内のスライドベアリングは、ローラーベアリングの代替として使用されることが多くなってきており、故障と修理頻度を減らす事が出来ます。ただし、この再設計では、スライド部分の間に流体力学層を形成して維持するため、高い潤滑油圧力を必要とします。弊社はマシニング加工されたErtalon^™ 6PLAとErtalon^™ 6XAU+の給油リングを開発しました。これは漏れを最小限に抑え、システムの潤滑油圧力を高く保つソリューションです。

• 製造の簡素化とマシニング加工時間の短縮
• 大幅なコスト削減
• ギアボックス応力のサポート
• 部品の耐久性と信頼性の向上