ハイライト

自動車構造部品向けカーボンファイバー複合材の事例

材料の調達から生産そして完成品に至るまでのバリューチェーン全体でCO2排出量を削減しながら車両のボディパネルを製造する方法を模索する大手自動車製造メーカーから引き合いがありました。

弊社のチームはこの自動車製造メーカーと連携して弊社の複合材ポートフォリオから軽量プリプレグ材料を特定、カスタマイズして、自動車製造メーカーの確立された生産ラインへの適合に必要な設計の柔軟性と、塗装工程の効率化に必要な熱特性を実現しました。

業界:自動車および交通業界
ソリューション:特定の熱特性を持つ特定の目的向けのプリプレグ材料
製品:耐オートクレーブ性があり圧縮成形可能なプリプレグカーボンファイバー
結果:高機能プリプレグによって追加の塗装工程を排除し、拡張性の高いより軽量なボディパネルを製造

お客様に於ける課題

生産の柔軟性を高めながら塗装工程を効率化する

弊社のお客様である大手自動車製造メーカーは、車両のボディパネルの重量、生産コスト、CO2フットプリントを削減するための複合材料を探していました。

従来の複合材料は、車両の残りの部分と一緒のオンライン塗装に適していません。複合材部品をオフライン塗装する必要がある場合、輸送、組み立て、色合わせといった追加の工程が発生します。そのため、生産コストが高くなり、CO2フットプリントが増加します。自動車製造では塗装が最も排出量の多い工程であることから、お客様は複合材部品をオンライン塗装することでこの工程を効率化できるソリューションを求めていました。 

さらに、この自動車製造メーカーでは、ミッドレンジ・高性能車両用に確立された両方の工程(ミッドレンジ車両の場合は圧縮成形、高性能車両の場合はオートクレーブ)で同じ材料を使用できる柔軟性も必要としていました。

これらの目標を踏まえて弊社の複合材の専門家は、自動車製造メーカーが理想的な材料を特定して導入できるよう支援しました。この材料は軽量のカーボンファイバープリプレグで、オンライン塗装工程の実施に必要な熱特性があり、複数の生産方法に適しています。

Auto_2
ソリューション

圧縮成形可能で耐オートクレーブ性のあるカーボンファイバープリプレグと優れた表面処理

弊社のチームは複合材ポートフォリオから軽量のカーボンファイバープリプレグ材料を特定し、自動車製造メーカーに固有の工程に合わせて調整しました。材料のカスタマイズによって生産能力が向上しただけでなく、屋根とボンネットに使用できるように2メートルもの幅があるプリプレグパネルを供給することもできました。これは複合材メーカーの中でもユニークな能力と言えます。

弊社のカーボンファイバープリプレグ材料には、オンライン塗装に必要な熱特性があります。優れた表面処理と、180°Cの温度を45分間耐える能力を備えているため、複合材ボディパネルを車両の他の部品と同じ工程で塗装することができます。また、高TG樹脂と2メートルのパネル幅を組み合わせることで、大きなボディ部品の目障りな継ぎ目をなくすことができました。

さらに弊社のプリプレグによって、お客様は確立された生産ライン全体で材料を柔軟に使用できるようになりました。限定生産性能車両の場合、自動車製造メーカーはオートクレーブを使用してボディパネルを強化し、それから大量生産車種用に圧縮成形に切り替えることができました。この工程によって、樹脂トランスファー成形や湿式圧縮よりも部品を軽量化することができます。

さまざまな織り方や麻くずのカーボンファイバー材料
可能性を実現する上でのパートナー

“お客様を中心に据えた先を見越した取り組みによって、弊社では絶えずソリューションを改善し、市場よりも先に新しいソリューションを見つけています。広範なカーボン複合材ポートフォリオによって、自動車業界に無数の可能性を示しています。”
結果

自動車業界の拡張性の高い持続可能性

弊社は革新的なカーボンファイバー複合材料と専門知識を活かして、自動車製造メーカーが拡張性や品質について妥協することなく、工程を効率化するソリューションに辿り着き、コストと排出量を削減できるよう支援しました。

弊社の軽量カーボンファイバープリプレグによって設計に高い柔軟性がもたらされ、自動車製造メーカーはオートクレーブと圧縮成形の両方の工程に複合材を使用することができました。同時に、このプリプレグに固有の熱特性と表面の特性によって、リソースおよび排出量の多い追加の塗装や色合わせの工程が不要になりました。

  • 生産工程の持続可能性の向上
  • 設計の柔軟性の向上
  • コストの削減
  • 拡張性の高い生産

Homepage-hero_1920x991
カーボンファイバー複合材 カーボンファイバー複合材による可能性を一新する

原材料からスクラップの収集やリサイクルに至るまで、複合材ツールボックスは、幅広い業界および以前は不可能だった用途にわたり、市場をけん引する拡張可能なイノベーションを活性化できるよう支援します。

自動車製造メーカーおよびエンジニアと連携し、従来の材料を、費用対効果が高く、将来性のあるカーボンファイバー複合材料で効率的に置き換えるために必要なツールを提供します。

独創的なアイデアを短期間で製品化 複合材料における弊社の最新のイノベーションは、エンジニアリングパートナーであることの意味を一新し、野心的なアイデアを実現しています
CASE STUDY

KyronTEX™により製造工程を刷新する

テスト材料からプロトタイプの設計、改良された最終製品まで。
弊社の複合材の専門家がパートナーであるOribiと協力し、KyronTEX™を利用することで生産工程を改良して、より費用対効果が高く、高品質のバイク用ヘルメットを製造できるようになりました。

詳細情報
カーボンファイバーで強化されたオートバイのヘルメット
CASE STUDY

炭素繊維の活用でカーボンフットプリントを削減

CarboNXTリサイクルカーボンファイバー製品は、熱分解工程で再生されたスクラップ材料から製造され、バージンカーボンファイバーと同等の強度と軽量さを持ちながら、排出量を減らし、循環性を高めます。

詳細情報
MCAM - rCF case study - promo module
CASE STUDY

リサイクル複合材で航空機の排出量を削減

新しい材料と工程が、航空宇宙業界の持続可能な製造を大きく変えています。
弊社はリサイクル可能な材料および複合材技術を用いて、埋め立て処理される航空機からの廃棄物の量を削減するBoeingの取り組みを支援しています。

詳細情報
駐機中の旅客機の翼とタービン
お問い合わせ コンタクトフォーム

コンタクトフォームを使用して弊社にお問い合わせください。貴社の直面する課題の解決をサポートいたします。

お問い合わせ先
宇宙から見た地球ごしに昇る太陽