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メタルシールをDuratron PAIポリマーシールに交換したところ、コンプレッサーの流量が3%以上改善されたクライアントの事例をご紹介します。 このユーザー事例では、テキサス州オレンジで、年間680,000トンのエチレンを生産する工場での7台のコンプレッサーのアップグレードについて説明します。
アップグレードのプロセスに従って、パフォーマンスを改善するためのベンチマークとしてコンプレッサーを1台アップグレードした様子を説明します。
この施設には、従来式のチャージガストレインの前に10,000 hp(7.5 MW)のブースターコンプレッサーが設置されています。 チャージガストレインの様子は、図1の写真と図2の概略図で見られます。このブースターコンプレッサーは、ユニットの残りの部分を強制的に停止せずに外すことができます。 このコンプレッサーをアップグレードして熱可塑性シールを取り付け、そのパフォーマンスを評価することになりました。 シールは1997年9月に設置されました。
コンプレッサーを停止して、効率を上げるために行ったことは、アップグレードされたシールを取り付けることだけでした。 アップグレード後、コンプレッサー流量が3.1%増加し、蒸気タービンドライバーの蒸気消費量が2.7%減少したことが判りました。これに基づいて、プラントは1999年3月に行われる大規模な修繕工事中に、他の6つのコンプレッサーもアップグレードすることを即決しました。このときアップグレードされたものは、チャージガストレインの最初の2ケース(圧縮ステージの1~3段階)、プロピレンコンプレッサー2台、エチレンコンプレッサー、パージプロピレンコンプレッサーでした。
チャージガスの最終段階で使用されていた、回転歯に対して摩耗性のシールが作動していた3台のコンプレッサーと2台のメタンコンプレッサーは、交換するか再評価を行うことが検討されていたため、この時はアップデートされませんでした。 他のすべてのコンプレッサーのアップグレードが成功したこと、また、チャージガスコンプレッサーの第4段階の摩耗性シールに関して、それまでにいくつかの問題が発生していたことを鑑みて、 プラントは、最後のチャージガスコンプレッサーから歯を取り除き、熱可塑性シールにアップグレードすることを決めました。 2005年7月に最初のシールが設置され、2006年1月に取り換えを行いました。
多くの場合、シールをアップグレードすることで得られる影響を正確に判断することは困難です。 しかし、すべての要因を注意深く分析することにより、以下のことを推定することができました。
熱可塑性シールのアップグレードによる効果:
当初、1997年にチャージガスブースターコンプレッサーにDuratron PAIシールを設置しました。これが成功したので、1999年の修繕の時にも、1・2・3段階のチャージガスコンプレッサー、ハイケースおよびローケースプロピレンコンプレッサー、エチレンコンプレッサー、 パージプロピレンコンプレッサーにDuratron PAIシールを取り付けました。
出典:J. WHALEN, J. ALLEN, J. CARDELL, J. DUGAS, Polymer Seal Used in Centrifugal Compressors, Proceedings of the Second Middle East Turbomachinery Symposium, 17 – 20 March 2013, Doha, Qatar